
僕は昔から周りの物事に対して非常に敏感でした。
うるさい環境や眩しい光、そして言葉なんかにも影響を受けやすく、視覚を絵のような芸術のように捉えて美しいと感じることもしばしばありました。
また、その影響か、昔から映画や漫画、小説、音楽、書道などの何かを表現した作品が非常に好きで、暇があれば作品に触れていました。
それらが敏感な体質のせいであるとは知らないまま生きてきました。
しかし、見つけてしまったのです。HSPという気質・概念を。。
HSPとは

HSPとは、Highly Sensitive Personの頭文字を取ったもので、とても敏感な人という意味です。
実は世の中の5人に1人がHSPだと言われています。
なんだかHSPというと病気や障害のように捉えれれがちですが、ただ単に敏感かタフかに別れるというだけであり、
内向型か外向型か、男か女かというようにただ単にタイプが別れるというだけの話です。
HSPが生きづらいわけ
HSPは、まだまだ認知されていない概念です。
その所為もあってか、HSPは不当な評価を下されがちです。また、不当な評価に対して自分自身の中で考えてしまい、自己嫌悪に陥るというスパイラルに陥ることも多くあります。
また、HSPは「敏感」「心配性」「シャイ」「神経質」「物静か」「家でいることを好む」といった特質があります。
現代ではコミニケーション能力や協調性が重視され、あたかも行動的で、活発で、社交的で、ポジティブな人間が価値のある人間であるとされる認識は今だに根深いです。
そのせいで、それと真逆の性質を持った内向型人間やHSPの人などは、非常に生きづらい世の中になっているのです。
HSP診断
あなたがHSP気質かどうか、このような簡易診断でみてみましょう。
もし当てはまることが多いなら、HSPかもしれません。
・毎日、一人でいる時間が必要 ・細かいところに目が行きがちで、嘘はすぐにわかる ・暴力シーンやグロテスクなシーンに影響を受けやすい ・空腹や寒さ、光、音などに敏感である ・仕事中に監視されているとストレス ・美しい景色やアート作品を観ると、喜びで胸がいっぱいになる。
これはあくまで簡易診断なので、詳しく診断してみたいという方はこちらをどうぞ。
HSPの特徴や能力
HSPはただ敏感というだけでなく、その他にも特徴や能力があります。
大まかにそれらを見ていきましょう。
自己評価が低い
先ほども言ったようにHSPの特質は未だ世間に認められているとは言い難いです。
なので、HSPの人たちは自分のやりたいこと(例えば孤独に過ごすこと)は悪いことだと思いがちです。
このような、抑圧された環境の中で過ごしてきたので、自己評価が低い人が多いです。
音や匂い、光などに敏感
HSPは刺激に敏感です。それぞれに個人差はありますが、『光』『音』『匂い』などの刺激に敏感で、小さなこともすぐに察知してしまうので、それによりイライラしてしまったりすることも多々あります。
寝ている時の音や光が気になったり、集中したい時の周囲の雑音を気にすることはないでしょうか。
しかしながら、デメリットばかりではなく、芸術性や美しさを感じるものには、人一倍胸に沁み、喜びを感じることができます。
時間をかけて物事について考える
HSPは物事に対して時間をかけ、多角的に深く考えます。なので、しっかりとした自分の考えや独創的なアイデアを出すことができます。
しかし、物事に対して考えすぎることに加えて、HSPは引き返す選択ができにくいので、物事から逃げることができません。
そして、苦痛やストレスに対して逃げずに一人で立ち向かい、対処しきれずに爆発し、「仕事を辞めてしまう」「突然怒る」「急に衝動的な行動に走る」といったことがあります。
しかし、衝動的な行動に走った結果、それに対して罪悪感や羞恥心を抱き、後悔し、自分を責め始めるというめんどくさい心の持ち主でもあるのです。
慎重でリスクを嫌う
HSPは慎重で、危機管理能力が高いので、行動を起こす前や言動を発する前に、熟考しあらゆるパターンを想定します。
つまりは、不安で、心配性で、ネガティブなのです。
そして、安全であると理解したらそれらの行動を起こします。
話をするときに、「次は何を言おうか。相手が不機嫌になったらどうしよう。じゃあ、あっちの言葉で言おう。」なんて考えながら話をしていませんか?
細かいところに目がいく
HSPは刺激に敏感であるということとは別に、視界に入ったものの細かいところに目がいきます。
髪型が変わったり、言動が変わったり、何かが変化したりすることに対してはすぐに気づきます。悪く言えば神経質ですが、良く言えば気配り上手です。
また、人の顔や名前、言動や性格を覚えるというのもHSPの得意分野です。
共感能力が高い
他人への感情移入が得意で、喜びや苦しみですら自分のことのように感じ取ってしまいます。
なので、映画や漫画、小説といったものの主人公に感情移入して深く楽しむことができます。
また、細かいところに目がいくことも相まって、非常に『空気が読む』能力が高いですので、相手の顔色を察知したりすることが得意です。
真面目で責任感がある
HSPは非常に誠実で、責任感が強いです。そのせいか、「しなければならない」という強迫観念にかられることが往々にしてあります。
また、自分がすべての責任を取ろうてしてしまいます。これは、「他人に迷惑をかけたり、他人の気分を害することはいけないこと」であると捉えているからです。
また、正義感や道徳心が強いので、自分の正義を頑なに曲げず、自分の正義や道徳に反している行動をみると、大きなストレスを感じます。
傷つきやすく、争いが苦手
HSPは敏感なので、とても傷つきやすいです。特に相手の何気ない言葉によって傷つけられることが非常に多いです。
普通の人が冗談だと感じることでも、HSPの人からすれば、心臓を握りつぶされたように感じることもよくあります。
その言われた言葉に対しても、2〜3日考え続けてしまうこともよくあります。
また、争いが苦手です。喧嘩や言い争いなど、自分とは関係ない出来事でも隣にいるだけで影響を受けてしまいます。
想像力が豊かで、内的生活が充実しており、孤独が苦ではない
HSPは孤独が苦ではありません。一人でも充足を見いだすことができます。
なので、普通の人なら、働いたり、動かないと気持ちが悪かったりするかもしれませんが、
HSPは働かなかったり、老後の年金暮らしになったとしても大丈夫で、むしろそれらを望む傾向があります。
なぜなら、想像力あふれ、一人でやってみたいことはいくらでも出てくるからです。
短気で怒りやすい
HSPは傷つきやすいので、その傷つきやすいガラスのハートを隠すかのように、怒りでその心を守ります。
また、正義感が強く、真面目で、傷つきやすいので、ストレスを感じることも多く、怒りという感情を使うことが多くなります。
完璧主義
責任感が強く、細かいところに目がいくので完璧主義になりがちです。
そこまでならまだマシなのですが、シャイという一面を踏まえると、完璧にできないと投げ出してしまうことがあります。
表面的な会話や雑談を嫌う
HSPは深い人間関係を好むので、表面だけの、いわゆるうわべだけの会話や、あまり意味のない雑談を好みません。
なのでHSPは本質的な会話を好みます。
なので、初対面の人間やあまり仲良くない人には話しかけたり、話したりするのは苦痛になります。
変化に弱くルーティンワークを好む
変化とは刺激を与えるということであるので、HSPは変化・刺激には敏感で弱く、素早く臨機応変に対応することが得意ではありません。
しかし、決まったことを繰り返すこと、つまり1を100に磨き上げることには長けています。
このようにHSPの特徴をあげて見ましたが、HSPは現代では生きづらい特徴が多いと感じます。
しかしながら、特徴とは短所でもあり、長所でもありますので、それらの特徴や能力を活かしていくほうが楽しい人生を暮らせるのではないでしょうか。
内向型HSPと外向型HSP
ここまでHSPの特徴を話してきました。これらの特徴からHSPとはなんだか内向型と似ていると感じた方も多いのではないでしょうか。
僕も内向型人間とHSPはただの似た気質であると考えていたのですが、
実は、HSPには内向型もいれば、外向型のHSPもいるのです。
そしてその割合は、内向型HSPは70%で、外向型HSPは30%と言われています。
外向型のHSPは主に、大家族で育ったり、大勢の中で暮らした経験がある可能性があったりします。大勢の中の一人でいることに安心を感じるのです。
他にも、社会からの圧力により強制的に外向性を身につけさせられたということが考えられます。
外向型のHSPは自分の限界以上に社交的に振る舞ってしまう可能性があります。
いかがでしたでしょうか。当てはまっていたでしょうか。
もし当てはまっていたのなら、自分の特徴や能力を理解し、自分の生活をより生きやすく、楽しくできるように参考にして見てください。
もっと詳しくHSPを知りたい方はこちらの書籍をオススメします。
ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)